京都黒田製 象嵌 蝶と菊花図小箱
京都黒田製 象嵌(ぞうがん) 蝶と菊花図小箱でございます。
京都黒田は京都でも名のある美術工芸師のひとりで博覧会で受賞を重ねた黒田帰一(くろだきいち)の工房。
欧米では高く評価され、当時の京都では一番高価な工房と言われていました。
本品は池戸有国と福島静明合作の作品でございます。
有国は井田七之助といい初銘を有国、二代池戸民国の門人で後に養子となり三代池戸民国を襲名しました。
生没不詳で昭和14年に70歳位で没しました。
静明は福島平次郎といい、明治時代の作家ですが詳細は不明です。
本作は黒四分一と白四分一地に金と色金で菊の花を高肉象嵌であらわし
水辺に咲く菊の花が水面に映る様を遠近感を持たせるように淡い色の金の平象嵌で水流を彫りで描いています。
側面はつややかな赤銅(しゃくどう)地に飛蝶をあしらい仕上げています。
蝶も3羽とも違うデザインで描かれており、細部まで丁寧に作られています。
美しい日本の風景が思い浮かぶ逸品です。
<サイズ>
12.9cm × 9cm
高さ 3cm