~最高級金工作品で有名~ 武蔵屋大関(むさしやおおぜき)

今回は武蔵屋大関についてご紹介いたします。

大関の作品には「大関製」の他「武蔵屋製」の銘もあります。
どのように使い分けされていたのかは不明です。

武蔵屋大関(むさしやおおぜき)について

武蔵屋は大関弥兵衛が文久2年(1859)に横浜に支店として設立し、支店は大関定次郎(※)に経営させました。

大関弥兵衛は江戸で喫煙具商をしており、江戸で仕入れたものを横浜で外国人に販売していました。
元々、海外貿易品に眼をつけていた大関弥兵衛は横浜開港後、象牙製木製蒔絵漆器類から手がけ、金工、七宝、芝山細工などを扱うようになります。

武蔵屋大関は欧米向きの日本的な装飾デザインやアイテムをプロデュースし、さまざまな分野の優れた工人に制作を委嘱して、海外の万国博覧会へ「大関製」銘で出品しました。
日本では過剰ともいえる装飾技法である芝山象嵌や様々な色金象嵌を施した華やかな大関製の明治金工作品は欧米では人気を博しました。

※定次郎に関して貞次郎と書かれた資料も見つかっているが、どちらが正しいかは不明。

大関が委嘱した工人

武蔵屋(大関)が委嘱した工人には名工が多く、豊川光長(とよかわみつなが)、海野盛寿(うんのもりとし)、山田元信(やまだもとのぶ)、兼康正寿(かねやすまさとし)、池田民国(いけだみんこく)などが制作に携わりました。

まとめ

武蔵屋大関・岡田雪峨 銀打出七宝龍図六角鉢1面
武蔵屋大関・岡田雪峨 銀打出七宝龍図六角鉢

いかがでしたでしょうか。
今回は武蔵屋大関についてご紹介しました。

武蔵屋大関は、主に金工と七宝の超高級美術工芸作品の欧米で人気が高かった嘱品家です。

大関作品のように明治期に制作された美術工芸作品の多くは海外に輸出されました。
そのため、国内の美術館等でもあまり目にすることが多くない希少な美術工芸品とも言えます。

Gallery尚では今回ご紹介した「武蔵屋大関」の金工作品のお取り扱いをしております。
ホームページには掲載していない作品もございますので、ご興味がお有りの方はお問い合わせ下さい。

お問い合わせ

商品に関するお問い合わせ、商品のご購入などお気軽にお問い合わせください