~優れた美術工芸家~ 帝室技芸員(ていしつぎげいいん)

帝室技芸員とは

明治23年(1890年)に、皇室による日本美術工芸の保護と美術工芸品制作の奨励を目的として定められた「帝室技芸員制度」により任命された美術家を言います。昭和10年(1944年)までに下記の分野で計79名が任命され、美術工芸家最高の栄誉を示しましたが、第2次世界大戦後この制度は廃止されました。

  • 絵画(画家、日本画、洋画、絵画、図案) 45名
  • 彫刻(彫刻、彫塑)7名
  • 工芸(彫金、金彫、鋳業、鍛金、工芸、七宝、漆工、蒔絵、陶工、陶業、織物、刀剣、篆刻) 24名
  • 建築2名
  • 写真1名

帝室技芸員には、後進の誘導、宮内省からの制作依頼、工芸技術に関する諮問を受けることなどが定められ、国家予算による年金が支給されることから定員がありましたので、候補となりながらも任命に至らなかった作家もいました。
以下に金工、七宝、漆工、陶芸、彫刻で任命になられた作家をご紹介いたします。

帝室技芸員一覧

金工(きんこう)

氏名分野任命日
加納夏雄
(かのう なつお)
彫金1890年(明治23年)10月2日
海野勝珉
(うんの しょうみん)
金彫1896年(明治29年)6月30日
鈴木長吉
(すずき きょうきち)
鋳業1896年(明治29年)6月30日
香川勝広
(かがわ かつひろ)
金彫1906年(明治39年)4月4日
塚田秀鏡
(つかだ しゅうきょう)
彫金1913年(大正2年)12月18日
平田宗幸
(ひらた むねゆき)
鍛金(たんきん)1917年(大正6年)6月11日
香取秀真
(かとり ほつま)
工芸1934年(昭和9年)12月3日
清水南山
(しみず なんざん)
工芸1934年(昭和9年)12月3日

七宝(しっぽう)

氏名分野任命日
濤川惣助
(なみかわ そうすけ)
七宝1896年(明治29年)6月30日
並河靖之
(なみかわ やすゆき)
七宝1896年(明治29年)6月30日

漆工(しっこう)

氏名分野任命日
柴田是真
(しばた ぜしん)
漆工1890年(明治23年)10月2日
川之邊一朝
(かわのべ いっちょう)
蒔絵1896年(明治29年)6月30日
池田泰真
(いけだ たいしん)
蒔絵1896年(明治29年)6月30日
白山松哉
(しらやま しょうさい)
蒔絵1906年(明治39年)4月4日

陶芸(とうげい)

氏名分野任命日
清風与平
(せいふう よへい)
陶工1893年(明治26年)9月25日
宮川香山
(みやがわ こうざん)
陶業1896年(明治29年)6月30日
伊東陶山
(いとう とうざん)
陶工1917年(大正6年)6月11日
諏訪蘇山
(すわ そざん)/初代
陶工1917年(大正6年)6月11日
板谷波山
(いたや はざん)
工芸1934年(昭和9年)12月3日

彫刻(ちょうこく)

氏名分野任命日
高村光雲(たかむら こううん)彫刻1890年(明治23年)10月2日
石川光明(いしかわ こうめい)彫刻1890年(明治23年)10月2日
竹内久一(たけうち きゅういち)彫刻1906年(明治39年)4月4日
山崎朝雲(やまざき ちょううん)彫刻1934年(昭和9年)12月3日
朝倉文夫(あさくら ふみお)彫刻1944年(昭和19年)7月1日
平櫛田中(ひらくし でんちゅう)彫刻1944年(昭和19年)7月1日
新海竹太郎(しんかい たけたろう)彫塑(ちょうそ)1917年(大正6年)6月11日